関係悪化の危機 ウクライナとポーランド

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関係悪化の危機 ウクライナとポーランド

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7月9日

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ロシアの軍事侵攻しんこうを受けるウクライナと、これまでウクライナを厚く支援しえんしてきたNATO加盟国の隣国ポーランドが歴史認識の問題で関係悪化あっかの危機に直面しています。 何が起きているのでしょうか。 (安間英夫 解説委員)

イラスト解説 ここに注目! 関係悪化あっかの危機 ウクライナとポーランド

イラスト解説 ここに注目! 関係悪化あっかの危機 ウクライナとポーランド 初回放送ほうそう日 7月9日(木)午前6:00 配信期限 7月16日(木)午前6:30

Q.両国の関係悪化あっか理由りゆうはどんなことなのでしょうか。

A.ポーランドのナブロツキ大統領は6月、ゼレンスキー大統領に授与していた最高位の勲章を剥奪すると表明し、対立が深まっています。

きっかけは、ゼレンスキー大統領がロシアぐんと戦うウクライナぐんの特殊部隊の呼び名に、かつて存在した「ウクライナ蜂起軍」の名称を取り入れたことです。「ウクライナ蜂起軍」というのは、第2次世界大戦中からウクライナ西部を中心に活動した民族主義組織のことです。その目的はウクライナの独立を目指すことで、ナチスドイツ、ソビエトぐん、ポーランド勢力との間で対立や協力きょうりょくを繰り返した複雑な歴史があります。

Q.ポーランドが問題視するのはなぜでしょうか。

A.ポーランド政府せいふは、この組織が当時最大ピーク10万人のポーランド人を“虐殺”したとしてゼレンスキー大統領の決定けっていを厳しく批判ひはんしました。 これに対しゼレンスキー大統領は、この組織が独立を目指して当時ソビエトに抵抗して戦った“国の英雄”とされる存在だと反発しています。ウクライナでは、ロシアの侵攻しんこうでかつての民族主義組織を評価ひょうかする機運が高まっていて、ゼレンスキー大統領はぐんの兵士たちの要望に応えたとしています。

Q.両国の対立をロシアのプーチン大統領はどう見ているのでしょうか。イラストでは笑みを浮かべているようですが。

A.ロシアにとって両国の関係悪化あっかは好都合だという受け止めです。 ロシアは、この組織がナチスドイツに協力きょうりょくしていたとして、ゼレンスキー政権がナチス協力きょうりょく者を英雄扱いしていると主張してきました。

ポーランドはロシアによるウクライナへの軍事侵攻しんこうに強く反対しています。 ただポーランドとロシアは、理由りゆうや主張は異なりながらもこの組織を問題視する点では一致します。ロシアはこのことを踏まえ、改めてウクライナへの侵攻しんこうを正当化しようとしています。

Q.ウクライナとポーランドの関係の修復はできるのでしょうか。

A.両国に共通する最大ピークの脅威はロシアであり、対立の先鋭化はロシアを利するだけだという認識では一致しています。 ポーランドでは6月下旬、ウクライナ復興会議が開かれ各国が復興支援しえんや投資で新たな枠組みを確認しました。今回の対立がこの会議の結果に影を落とすことは、ひとまず避けられた形です。

ただ歴史認識をめぐる対立は根深く、ウクライナが目指すEU加盟の交渉やNATOとの関係に影響するおそれも指摘されます。歴史認識の問題は、両国の対立の火種としてくすぶることになりそうです。