フランス40度超 過酷な屋根裏部屋暮らし 歴史的屋根も暑さ増幅

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フランス40度超 過酷な屋根裏部屋暮らし 歴史的屋根も暑さ増幅

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7月5日

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記録きろく的な熱波に見舞われたフランスのパリでは、美しい町並みを特徴づけている亜鉛製の屋根によって室内が高温となり、住民じゅうみんからは、対策たいさくの必要性を訴える声も相次いでいます。

フランスでは、先月17日から2週間にわたって記録きろく的な高温が続き、気象きしょうじょうほう当局は、6月24日と25日の平均気温きおんが30度に達し、フランスで記録きろくされた中で最も暑い日となったと発表はっぴょうしました。

このうち首都パリでは、先月24日、6月としては観測かんそく史上最も高い40.6度を記録きろくしました。

高温との関連が指摘される死者も相次ぎ、先月22日からの1週間で前の週に比べて全国で2025人多い死者が確認かくにんされました。

「夏を超える夏」

今回の熱波について、フランスの気象きしょうじょうほう当局の気象きしょうじょうほう予報よほう士は、「非常に多くの都市で、この極端な気象きしょうじょうほう現象によって記録きろくが更新された」と述べました。

そして、先月下旬ほどの暑さではないものの、まもなく新たな熱波がフランスを襲う見通しを示しました。

そのうえで、「熱波は2000年代以降、発生はっせい頻度が上がっている。『夏を超える夏』という第5の季節を作る必要があるかもしれない」と述べ、地球温暖化に伴って、熱波は今後、さらに強く、頻繁になっていくと指摘しました。

またパリに多い亜鉛製の屋根について、「亜鉛板はその色からも分かるように、太陽光をかなり吸収する。吸収した熱は、放射熱として、住民じゅうみんに放出される。特に屋根のすぐ下に住む人たちは影響えいきょうを受けやすいと考えられる」と述べました。

屋根裏部屋に暮らす住民じゅうみんが悲鳴

とりわけ暑さの影響えいきょうを受けたのが、パリの歴史的な町並みを特徴づける亜鉛製の屋根の下で暮らす人々です。

エンジニアのメリル・フレブールさんは、エッフェル塔などが見える眺めのよいパリ市内の屋根裏部屋で、6年前から暮らしています。

日当たりもよく、冬の間は暖かくて過ごしやすいといいますが、先月の熱波については「水を失った魚のようだった。これほど過酷な気温きおんに、これほど長い期間対処したことは一度もなかった」と話していました。

熱波のピーク時、フレブールさんが赤外線カメラで部屋を取り囲むように設置されている亜鉛製の屋根の温度を測ったところ、最高で80度にのぼり、室内の気温きおんは夜間でも32度を下回ることはなかったといいます。

持ち運びが可能な小型のエアコンを購入して寝室に設置しましたが、エアコンからチューブを通って外に排出される熱によって屋根が熱くなり、内側の壁の温度も50度まで上がったため、すぐに使用をやめたということです。

結局フレブールさんは、太陽光を防ぐために窓に白い粉を塗ったり、ペットショップで犬用の冷感マットを購入したりして、熱波をしのいだといいます。

フレブールさんは、温度を下げるには、亜鉛製の屋根に日よけをかけるなどの対策たいさくが必要だと考えていて、「住居は住むためのもので、美しさのためにあるのではない。住居が命に関わる危険な状態になりつつある以上、考え方を変える必要がある」と述べ、住民じゅうみんが協力して対策たいさくを進める必要があると話していました。

対策たいさくの必要性訴える声相次ぐ

今月1日には、熱波の影響えいきょうについて意見を交換する集会がパリで開かれ、集合住宅に住む人たちから対策たいさくの必要性を訴える声が相次ぎました。

参加した男性は、「建物の断熱を進め、屋根や中庭を緑化する必要がある。緊急事態のためエアコンは必要だが、集合住宅ではエアコンから熱が中庭に排出されるので本当に必要な時に限るべきだ」と指摘していました。

また、「私たちは気候変動によるトラウマを経験した。避難を余儀なくされた人もいる。この事態に対して行動することが大切だ」という意見や、来年の大統領選挙で熱波への対策たいさくを争点にすべきだという声もあがっていました。

パリ 歴史的な町並み特徴づける亜鉛製の屋根

パリの亜鉛製の屋根の起源は19世紀にさかのぼります。

ナポレオン3世から首都の近代化を進めるよう命令を受けたオスマン男爵が都市計画を主導し、当時のパリは、大きく変化していました。

人口の急増を受けて住宅を確保するなどの必要があり、オスマン男爵の名前をとった「オスマン様式」と呼ばれる多くの新しい建物が作られました。

特徴的なのが亜鉛製の屋根で、亜鉛の板は、軽くて、加工がしやすく、複雑な屋根の形状に対応することができます。

パリの屋根のおよそ80%が亜鉛製で、その統一的な灰色の色合いがパリの美しい町並みを際立たせています。

この亜鉛製の屋根の技術は2024年、ユネスコ=国連教育科学文化機関の無形文化遺産に登録されました。

一方で、亜鉛製の屋根は太陽光をよく吸収し、パリ市によりますと、気温きおんが40度に達する場合、屋根の表面温度が80度になる可能性もあるということです。

気象情報

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